2007年04月23日

猫雄と唄三線

三線屋の裏にあるトイレに向かっていたときのこと。

足元を見ると、細かい砂利に見慣れな文様が。

なんだろって思ってよーく見てみると、

鳥の足の形。

でも、よくウロウロしてるイシジューサーのものにしてはデカ過ぎるし。。。



そんな事を忘れて仕事に戻る。


なんてったって最近肌寒くて代謝が低いせいか、トイレが近い。

再びトイレへ。


工房の勝手口のドアを開ける。

「ひゃっ!」


なんか動物が横切りよった!!

一瞬 猫 に見えたその正体は、

雄鶏でした。

大きな体をユサユサしながら、一目散に逃げていきました。

それにしても、デカ!

猫雄と唄三線


でもなぜか、遠くに逃げようとはしない。懐きたいのかな(嬉)


どっかから逃げてきたのか、疲れているのかな、トサカもカリカリに折れてるし。



「オッオオー」「オオオオ オクウェ オオオ」って話しかけてみた。

「オオオオ」って返してくれる。


んっ、仲良くなれそうだ。

名前は、猫みたいだから、猫 か 猫雄 だな。



私は大の鳥好き。歯笛で会話できます笑



もう何年くらいになるかな。三線屋でカナリヤを飼ってまして(名前は、ふさ子。)、彼女(彼?)の高音のキュルキュルキュルキュルっていう鳴きのテクニック、強弱緩急の呼吸の自由さと しなやかさには一目も二目も置いています。憧れです。

目が合うと、サッとそらすとこもカワイイ。


屋良先生がその鳴きっぷりに惚れて、三線の掛けと喉使いと呼吸の研究のためにと、ホームセンターで買ってきたのです。


一般的な三線の掛けの音は、弾き・返しで直線的に聞こえますが、屋良流の掛けは、カナリヤがキュルキュルって鳴くように回ります。小回り抜群です。自由自在です。それはバチの形と扱い方に由ります。指の先からバチの先まで全神経を集中させて、イメージ通りの音にいかに近づけるか、です。

いつもお稽古のときも、「カナリヤのキュルッだよ」って先生。

どんな弾き方にも応用可能な弾き方だと思います。

心と直結した音が出せる弾き方です。



屋良常雄先生は普久原朝喜先生に師事していました。

朝喜先生が晩年に吹き込まれていたドーナツ盤(古典音楽、舞踊曲など)にも、そのキュルッっていう最高にしまりのいいバネのある丸い掛けの音が刻まれています。初期の喉使いとはまた違う、独特な喉の使い方も聴きごたえがあります。

あんなに自由自在。。。 体が楽器になってて、三線も体の一部になってる。

しびれます。しびれます。しびれます。

何度聴いても、また何度も聴きたくなります。


三代目吉栄会HP http://www.k3.dion.ne.jp/~yara34ya/index7f1.html




鳥の鳴き声を聴いて、そんなことに思いを馳せました。



これからは、猫雄に中低音の鳴きと 響きのいい呼吸も習えるな、嬉しいな、

なんて思ってた矢先。

おとなりの薬局の所属ってことが判明。




つかの間の期待でした。

猫雄さん、元気してるかな。


猫雄と唄三線


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Posted by 三線職人 at 21:18│Comments(0)その他
 
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